美容クリニック向けの効果的な広告戦略|注意すべき医療広告ガイドラインも詳しく解説!

美容クリニック向けの効果的な広告戦略|注意すべき医療広告ガイドラインも詳しく解説!

美容クリニックの集客には、効果的な広告戦略が欠かせません。競争が激しい美容業界でクリニックの成功を収めるためには、潜在患者に正確にアプローチをして、リピート患者を獲得することが必要です。そのため、美容クリニックには、ポスティングやチラシ配り、車内広告などのオフライン広告によるアプローチから、インターネットを利用した広範囲に及ぶ広告宣伝まで、多角的な施策が求められます。

また、美容クリニックが広告を出稿する際には、厚生労働省が公開した「医療広告ガイドライン」に順守する必要があります。クリニックが医療広告ガイドラインに違反する広告を掲載し、評価委員会からの通知を受けてから1か月経過しても修正しなかった場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

本記事では、医療広告ガイドラインについての詳細や美容クリニック向けの効果的な広告戦略、美容クリニックの経営に役立つ予約システムについて解説します。

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医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインは、厚生労働省が定めた医療広告における掲載内容の規則です。従来より、医療広告は1948年に公布された医療法で制限されていましたが、美容医療の広告トラブルの多発により医療法が改正され、2018年に医療広告ガイドラインが制定されました。

厚生労働省は、医療広告ガイドラインの趣旨を以下のように示しています。

①医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、 不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。

②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針
(医療広告ガイドライン)

美容クリニックは、上記のような考え方を軸として、客観性や正確性を確保した広告掲載が求められています。

対象となる媒体

厚生労働省は、医療広告の定義を以下のように定めています。

①患者の受診料などを誘引する意図があること(誘引性)

②医業若しくは司会業を提供する物の氏名若しくは名称又は病院著しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針
(医療広告ガイドライン)

上記の2点の要件を満たした場合に、医療広告として判断されます。具体的な対象となる広告媒体としては、以下が挙げられます。

  • チラシ、パンフレット、ダイレクトメールやこれらに類似するもの
  • ポスター、看板、ネオンサイン、アドバルーン、電光掲示板やこれらに類似するもの
  • 新聞、雑誌その他の出版物
  • TVCMやWebCM
  • インターネット上の広告
  • 不特定多数に向けた説明会、相談会、キャッチセールスなどにおいて使用するスライド、ビデオまたは口頭での演述
  • ホームページ
  • 各種SNS(X、instagram、facebookなど)

禁止されている表現

ここでは医療広告ガイドラインで禁止されている具体的な表現について解説します。

虚偽広告

虚偽広告は、施術の実態と異なる内容を掲載した広告であり、医療広告ガイドラインにより禁止されています。「絶対に安全」や「100%成功する」といった医学上あり得ない表現や、治療期間について実際と異なる記載を行うことは、虚偽広告として扱われます。

また、データの根拠が明確でない調査結果を示す内容も虚偽広告です。限られた患者を対象に実施した調査や、謝金を支払うことにより意図的に誘導された調査の結果など、公正性に欠けたデータを用いた場合も虚偽であると判断されます。

比較優良広告

患者などに対して他の医療機関より著しく優れていると誤認を与えるおそれがある表現を記載した場合、比較優良広告として判断されます。

最上級の表現や自身のクリニックの優秀性について著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当します。例えば、禁止事項である最上級の表現は、「最高の医療」「日本一の実績」「県内一の医師数」などです。

施設の規模や人員配置、提供する医療の内容などに関して、自院が他の医療機関よりも優れていると示す比較データの掲載も、医療広告として許可されていません。また、「モデルのXXさんが通われています」など、著名人との関係性の強調も禁止されています。

誇大広告

虚偽ではなく事実であった場合でも、事実を不当に誇張した表現を用いた広告は禁止対象です。例えば、広告内で「鼻整形:3万円~」と表記しているが、実際の施術で3万円に収まる事例はごく僅かである、といった場合などが該当します。

また、厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第3版)」では、「医療広告ガイドラインを遵守していることは、特段、強調すべきことではない」と示されています。

そのため、医療広告ガイドラインを遵守していることを、文字の大きさや色等によって強調するような表現や、公的な制度により行政機関が保証しているように誤認を与える表現は認められていません。

公序良俗違反広告

公序良俗違反広告は、公の秩序や善良の風俗に反する内容の広告です。具体的な内容は、残虐もしくはわいせつな画像や映像、差別を助長する表現です。例えば、医療脱毛の施術の内容を伝える目的でも、局部が映っている画像は掲載できません。 さらに、モザイク処理が不十分な場合にも、わいせつな画像とみなされる恐れがあるため、慎重な対応が求められます。

合理的な根拠の無い治療前後の写真

合理的な根拠のない治療のビフォーアフター写真も、広告掲載が禁止されています。治療結果には個人差があり、明確な根拠がない効果や効能を記載することで、患者に誤った認識を与える可能性があるためです。

必要とされる治療内容や治療費、治療することで生じるリスク、副作用等の詳細な説明を付けた場合に限り、治療前後の写真の広告掲載が認められています。

治療に関する体験談

主観にもとづく体験談などの記述も規制されています。

体験談は個人によって感想が異なるため、客観的に見て事実かどうかの証明が困難であり、患者に誤認を与えるおそれがあるためです。内容が事実であっても、根拠に乏しいものは記載できないため注意が必要です。一方、治療内容や治療効果に言及しないものであれば、広告可能事項として認められます。

限定解除要件

医療広告ガイドラインでは、一定の要件を満たすことで、広告可能事項の限定が一部解除されます。限定解除の要件は下記のとおりです。

①医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること

②表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること

③自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

④自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針
(医療広告ガイドライン)

上記を満たせば、特定の広告を打ち出せるようになります。ただし、③と④の項目に関しては、自由診療で提供している場合に限るので注意が必要です。

禁止事項に抵触していた場合の対処法

医療広告ガイドライン違反してしまった場合、迅速に修正を行えば措置が取られることはありません。厚生労働省では「医療機関ネットパトロール」と呼ばれる委託事業で監視体制を強化しており、違反の疑いがある場合、評価委員会からクリニックに通知が届きます。その1か月後には、再び評価委員会が指摘した点が修正されているかの確認が行われるため、その時までに指摘された点の修正が必要です。

1か月間経過しても修正が行われていない場合は、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が課されるため、期限内での対応が求められます。

美容クリニックに効果的な広告戦略

リスティング広告

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果に連動して上位掲載される広告です。原稿フォーマットはテキストで、広告見出し・リンク先のURL・説明文」の3つの要素で構成されるのが一般的です。美容や健康など関連の業界に関連したキーワードにリスティング広告を設定することで、クリニックに対するニーズを持った見込み患者に効率よくアプローチできます。

広告費は、URLをクリックされるごとに発生する仕組みであるため、あらかじめ予算を決めておくことが大切です。

SNSマーケティング

SNSマーケティングは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って顧客を獲得するマーケティング手法です。X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTubeなどのSNSを通じて患者とコミュニケーションを行い、認知拡大やファンの獲得、ブランディングなどを行います。SNS運用と並行してSNS広告にも取り組むことで相乗効果が期待できます。

SNSは年齢や性別、地域、使用媒体、興味や関心などで、狙いたい患者層を細かく設定できるため、精度の高いターゲティングが可能です。また、SNS広告の大きなメリットのひとつが、シェアや「いいね」「リツイート」などによる拡散力の高さです。美容クリニックの魅力がSNSで拡散されれば、一気に話題性を高められます。

美容系ポータルサイトへの出稿

美容系ポータルサイトは、さまざまな医院のリンクや口コミが掲載されているWebサイトで、ユーザーが求める情報をかんたんに見つけられる点が特徴です。例えば、美容医療分野では以下のようなサイトが挙げられます。

上記のような専門ポータルサイトに掲載することで広範囲の潜在患者に自院の存在を認知してもらえます。ポータルサイトへの掲載は費用がかかりますが、掲載するだけで大きな集客力を期待できます。

オフライン広告によるアプローチ

オフライン集客は、ポスティングやチラシ配り、車内広告など多くの種類があり、特定の地域や狙った患者に集中的にアプローチできることが大きな特徴です。また、インターネットを使用しないシニア層なども存在するため、新たな層の患者を獲得できる可能性もあります。

地域のイベントに積極的に参加し、美容クリニックのブランドイメージを向上させることも効果的な広告戦略のひとつです。例えば、美容医療を1日体験できるイベントやブースの出店をすることで、潜在的な患者と対面で接触できます。

ホームページにおけるSEO対策

クリニックのホームページで、SEO(検索エンジン最適化)対策を実施することにより、集客力の向上が見込めます。Googleをはじめとした検索エンジンのランキングで自身のクリニックが上位表示されることで、検索結果からの流入や売上、リード獲得数の向上に効果的です。

SEO対策の事例として、「メンズ 脱毛」といった具体的な治療法とターゲット患者の特徴を組み合わせたキーワードの上位表示を試みます。それによりホームページが治療に興味のある潜在患者の目に留まりやすくなり、自身のクリニックへのアクセス増加と来院につなげられるます。

LINE公式アカウントの作成

LINEは、幅広い年代のユーザーが利用しているコミュニケーションアプリです。そのLINEにクリニックの公式アカウントを作成することで、多くの人にクリニック来院を促すことができます。

LINEの代表的な機能である「メッセージ配信」では、クリニックのアカウントを友達登録している患者への、メッセージを一斉配信が可能です。メッセージは、テキストのみならず、スタンプやクーポン、画像や動画なども配信することが可能なため、多様な方法でクリニックへの来院を患者に促せます。

また、LINE公式アカウントを運営する際には、患者が気軽に問い合わせができるように、トークルームの環境を整えることが大切です。LINEは匿名性が高く、時間帯に関わらず利用できるため、患者が気軽に問い合わせがしやすいと感じる傾向があります。このLINEの特徴を活用して、クリニックの公式アカウトから施術メニューの確認や、資料請求の閲覧を可能にすることで、クリニックへの来院を患者に訴求できます。

美容クリニック向けの予約システムとは

美容クリニック向けの予約システムは、店舗予約や患者の管理を自動で行うシステムです。美容クリニックにおける業務の効率化はもちろん、集客に役立つ機能を数多く搭載しています。

ここでは、予約管理システムの導入メリットと、美容クリニックに役立つ予約システムの機能について解説します。

予約システムの導入メリット

予約システムを導入することで、美容クリニックの経営において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

・業務効率化
予約管理システムは予約受付や患者情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要性を省けます。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や患者の情報はデータ化されるので、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約受付システムを通じて集められる患者データを分析し、ターゲット市場の動向や患者の需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・患者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、患者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、患者満足度も高められます。

美容クリニックに役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の美容クリニックに合った予約管理システムを判別することが必要です。

LINE連携機能

LINE連携機能とは、LINE公式アカウントと予約システムを連携させる機能です。この機能を活用することで、LINE公式アカウントを友だち登録している患者が、自身のLINEアカウントを使って予約や配信コンテンツの受け取れます。患者がLINEアカウントで予約をする際における、連絡先の入力作業を一部省略できることも利便性の向上に効果的です。

カルテ機能

カルテ機能は、予約ごとに患者の対応時の記録や、患者の特記事項などを記録できる機能です。予約や患者の情報の管理、施術当日のカルテ記入などの業務など、あらゆる面で業務を効率化できます。

クーポン機能

クーポン機能は、予約促進に役立つ割引クーポンを、予約システムから手軽に発行できる機能です。来院率の向上や、患者ロイヤリティの向上に役立ちます。

キャンセル待ち機能

キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対して自動で通知する機能です。患者獲得の機会を逃さず、効率的な美容クリニックの経営を実現します。

まとめ

本記事では美容クリニックの向けの効果的な広告戦略について解説しました。有効な戦略として、リスティング広告やSNSマーケティング、美容系ポータルサイトへの出稿、オフライン広告によるアプローチ、ホームページにおけるSEO対策、LINE公式アカウントの作成が挙げられます。

また、美容クリニックが広告を出稿する際には、医療広告ガイドラインに注意が必要です。ガイドラインの趣旨や対象となる媒体、禁止されている表現に注意することで、スムーズな医療広告の入稿ができます。

医療広告の入稿にあたり不明点のある美容クリニックは、ぜひ本記事を参考にしてください。

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美容クリニックの運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
美容室運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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