眼科クリニックの運営を成功させるには、医療の知識だけでなく集患の知識も必要です。どれだけ素晴らしい技術を有していても、患者が集まらなければクリニックは収益を得られません。
多くの患者に選ばれるクリニックになるための鍵は、患者心理を深く理解することにあります。そこで本記事では、患者がクリニックを選ぶ際の心理を6段階の顧客ライフサイクルから明らかにし、それぞれの段階での具体的な施策について詳しく解説します。
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顧客ライフサイクルとは
顧客ライフサイクルとは、顧客が商品やサービスを認知して購入し、リピートしていく一連の流れのことです。顧客ライフサイクルの中での各段階によって、利用者の温度感や関心度は異なります。そのため、クリニックは顧客ライフサイクルの各段階に合わせて、最適な情報を最適なタイミングでアプローチすることが重要です。
顧客サイクルを理解し、適切な施策を打ち出すことで、クリニックの収益を最大化し、市場における競争力の維持につなげられます。
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの6つの段階
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルは、6つの段階に分けることが可能です。ここでは、それぞれの段階の解説と、具体的な施策について説明します。
第1段階:認知
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第1段階は、患者にクリニックを「認知」してもらうことです。競合の激しい眼科業界において、他のクリニックにはないアピールポイントをつくり、それをいかに多くの人に知ってもらえるかが、大きな課題になります。以下が認知における効果的な手段です。
SNSの利用
SNSの利用は、より多くの人に認知してもらいたい際に、有効な手段です。SNSの大きな特徴として、シェアやいいね機能による拡散力の高さがあります。きれいで清潔感のあるクリニックの内装や、医師の腕の確かさなど、患者にとって魅力的な情報を投稿することで、積極的に眼科クリニックを広めることが可能です。親しみやすく有益な情報を発信したい場合はX(旧Twitter)、ビジュアルを活かしてクリニックの魅力をアピールしたい場合はInstagramがおすすめです。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンに掲載する広告を指します。最大の特徴は、キーワード単位で広告を出稿できる点です。具体的に、「眼科 品川」などで広告を打ち出すと、そのキーワードを検索する一定の興味や関心を持っている顕在層へ、効果的なアプローチができます。そのため、他のWeb広告と比較して費用対効果が高めやすいです。
ポータルサイトへの掲載
他の眼科クリニックなどを比較できるポータルサイトへの登録も、集患の効果が期待できます。ポータルサイトでは、クリニックの基本情報や利用者の口コミなどが掲載されており、ホームページの代わりに使っているクリニックも珍しくありません。患者からは「費用」「実績」「効果」の面で比較をされるため、どの分野で自身のクリニックが勝てるかを明確化した上で、掲載することが求められます。
SEO、MEO施策
SEO対策はGoogleやYahooなどの検索エンジンで上位表示するための施策、MEO対策はGoogleMapの中に自社店舗をどう載せるかの施策です。患者に認知してもらうための基本的な施策ですが、意識せずにホームページを作成しているクリニックも少なくありません。競合の多い中、自身の眼科クリニックを知ってもらうには、欠かせない要素であり、念入りに対策する必要があります。
第2段階:興味
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第2段階は、患者にクリニックの「興味」をもってもらうことです。ただ認知されるだけでは、患者はクリニックについて深く知ろうとはしません。適切なタイミングで適切な情報を提供することで、患者の気を引くことができます。
ターゲット・ペルソナの設定
ターゲットやペルソナを絞り込み、特定の悩みを抱えている人に深く寄り添えるサービスだと訴求すれば、患者から興味を引くことができます。ターゲット設定がおおまか過ぎると、効果は期待できません。患者の年齢層や性別、所得や地域、求める診療など細かく市場を絞ることで、具体的なターゲットやペルソナを設定することが可能です。
目を引く情報の掲載
せっかくターゲットやペルソナを上手く設定しても、対象の患者の目を引かなければ、集患につながりません。ホームページなどのタイトルやファーストビューなどに、適切な情報を載せることが求められます。簡潔なキャッチコピーの作成や、強みを分かりやすく伝えるように心がけることがおすすめです。
第3段階:評価
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第3段階は、患者にクリニックを「評価」してらうことです。眼は人間にとって非常に重要な器官のため、実際に診療を受ける患者にとって、適切なクリニック選びは重要となります。
自身の中に明確な判断要素を定め、慎重にクリニックを比較します。曖昧な情報ではなく、分かりやすく比較できる情報の掲載が必要です。
過去の治療例を充実させる
過去の治療例を充実化することで、患者を安心させることが可能です。治療の過程や結果が不透明だと患者は不安を感じます。治療の過程において患者の懸念点を把握したうえで診療することで、より良いクリニックの評価につなげられます。
医師の詳しい情報を載せる
眼科医に関する経歴や所有資格などの詳しい情報を、ホームページに載せているかどうかは、クリニックの信頼に大きく関わります。どれだけ治療費を安くしても、医師の情報が不鮮明だと、患者がそのクリニックを選ぶことはありません。患者と信頼関係を築くためには、医師や所属スタッフの情報を、明瞭に伝えることが不可欠です。
第4段階:契約
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第4段階は、患者にクリニックと「契約」してもらうことです。他のクリニックより提供するサービスが優れていると感じた場合、患者はついに契約に至ります。しかし、この段階でも気を抜いてはいけません。契約から診療までの過程を円滑にすることで、患者の離脱を防ぐことが可能です。
キャンペーンの打ち出し
入会や成約キャンペーンやお得な割引を実施することで、成約率の向上が見込めます。具体的な打ち手は、実施期間や人数制限を提示することなどを意識することがおすすめです。
手続きの整備
契約方法が複雑だったり、個人情報の扱いに不安を感じたりして、クリニックの利用をやめてしまうケースもあります。患者に安心して利用してもらえるように、導線や手続きを整備することが重要です。
第5段階:診療
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第5段階は、患者がクリニックで「診療」してもらうことです。契約後、患者はクリニックで診療を受けます。しかし、クリニックで得た経験が求めたものでなかった場合、利用を途中でやめる患者も少なくありません。課題を解決し、患者のニーズを満たしきれば、患者に診療における質の良さを実感してもらえます。
定期的なカウンセリング
定期的なカウンセリングを行うことで、患者の細かい要望を把握でき、診療の質を高められます。患者が求める場合はもちろん、クリニック側からも積極的に意見を聞くことが求められます。
第6段階:患者ロイヤリティ
眼科クリニックにおける顧客ライフサイクルの第六段階は、「患者ロイヤリティ」です。患者がクリニックの診療を優れていると判断した際、患者は通院を続けるだけでなく、知人や家族への紹介など、クリニックにとって有益となる行動をしてくれる場合があります。そういった患者の行動を引き出すことで、さらに売り上げ基盤を固くすることも可能です。
メールマガジン・LINEなどでの有益なコンテンツ配信
患者からクリニックを認知させるためには、定期的なコンテンツ発信をすることが効果的です。有益な情報を発信することで、患者の来院意欲を増幅させ、継続した来院につなげられます。
コンテンツの質が悪い場合は、効果が薄すれるため、患者に有益なものを届けられているかをしっかり確認する必要があります。
紹介割引
紹介割引を診療した患者に配布することで、さらなる新規患者の獲得につながります。家族や友達などからのオススメは、最も信頼される情報源の一つです。現在では、SNSの発達により、知人への紹介はかんたんにできます。
一方で、多くの患者獲得が期待できる反面、クリニックに愛着が無ければ患者は知人に紹介してくれません。紹介を強化したいのであれば、患者は自院に対してどういった感想を持っているのか、そしてどういう患者が積極的に紹介してくれているのかを把握することが大切です。
眼科クリニックの予約システムとは
眼科クリニックの予約システムは、クリニックの予約や患者管理を自動で行うシステムです。クリニックにおける業務の効率化はもちろん、集患に役立つ機能を数多く搭載しています。ここでは、予約システムの導入メリットと、眼科クリニックに役立つ予約システムの機能について解説します。
眼科クリニックにおける予約システムのメリット
予約システムを導入することで、眼科クリニックの無人受付において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。
・業務効率化
予約システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な眼科クリニックの運営が実現します。
・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や患者の情報はデータ化されるので、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。
・マーケティングの強化
予約システムを通じて集められる患者データを分析し、ターゲット市場の動向や患者需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。
・患者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、患者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、患者満足度も高められます。
眼科クリニックに役立つ予約システムの機能
予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の眼科クリニックに合った予約システムを判別することが必要です。以下では眼科クリニックに役立つ予約システムの機能をまとめました。
オンラインカード決済機能
オンラインカード決済機能とは、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能のことです。 オンラインカード決済機能を活用することで、患者は事前に支払いを完了できるため、予約当日は診療を受けるのみとなります。クリニック側も会計が不要になるため、スタッフが要する業務の負担が軽減されます 。
予約時アンケート機能
予約時アンケート機能は、予約の際に患者からアンケートを募集できる機能です。事前に要望を入力してもらうことで、診療の質を向上させられます。当日のカウンセリングを短縮することもできるので、スタッフの業務量を減らすことも可能です。
クリニックが求める質問を作成するためには、選択式か自由記述など、豊富な回答方法を搭載した予約システムを選ぶことが求められます。
キャンセル待ち機能
キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対して通知を自動で送る機能です。クリニックが求められるキャンセル待ちに関する対応の手間を省けます。また、キャンセル待ちの予約者に迅速に案内できるため、患者獲得の機会を逃しません。
準備時間の設定機能
準備時間設定の機能は、予約と予約の間に隙間時間を確実に確保できる機能です。例えば、10時からの予約を受け付けた際、準備時間を30分に設定していると、自動的に10時30分の予約の受付を終了します。この機能により、メニューの間に準備に要せる時間が確保できるため、医師は余裕をもって診療できます。
診療時間が伸びてしまいがちなクリニックでは、準備時間設定機能がとても効果的です。
メルマガ配信機能
メルマガ配信機能は、予約や来院時にメールアドレスを登録してくれた患者に向けて、お店の最新情報やお得な情報など、患者に役立つ情報を発信する機能です。予約システムのメルマガ配信機能を活用することで、手軽にメルマガ配信を行えます。有益な情報を発信することで、患者の来院意欲を増幅させ、再来院を促すことが可能です。
LINE連携機能
LINE連携機能とは、LINE公式アカウントと予約システムを連携させる機能です。連携することで、LINE公式アカウントを友だち登録している患者が、自身のLINEアカウントを使っての予約や配信コンテンツの受け取れます。患者がLINEアカウントで予約をする際における、連絡先の入力作業を一部省略できることも利便性の向上に効果的です。
LINE連携機能は、メルマガ配信と同等以上に、患者の再来院率の向上が見込めます。
まとめ
今回は、眼科クリニックの店舗集患方法について解説しました。
眼科クリニックの集患を成功させるには、患者心理を把握することが不可欠です。6段階の顧客ライフサイクルを理解することで、集患においての具体的な施策が打ち出せます。患者の関心度に応じたアプローチが必要なため、顧客ライフサイクルの段階を見極めて、それぞれの段階に応じたマーケティング施策を用意することが大切です。眼科クリニックの集患に悩んでいる人はぜひ、本記事を参考にしてください。
>>眼科クリニック成功のカギ。今から開業したい人が知っておくべきポイント【前編】
>>眼科クリニック成功のカギ。今から開業したい人が知っておくべきポイント【後編】
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画像引用元:RESERVA公式ホームページ
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