内科クリニックは有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

内科クリニックは有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

新型コロナウイルスのPCR検査や予防接種、風邪や発熱などのよくある症状の診療で多くの人が利用してきた内科クリニックは、毎年多くの医師が開業し、その数を増やしています。近年では、生活習慣病と呼ばれる、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症、骨粗鬆症などにも対応し、疾患の原因や状態、合併症に関して検査や評価からきめ細かく判断し治療するといったこともしています。高い技術や医療を自身のクリニックで発揮することを夢にする医師も少なくありません。

内科クリニックの運営を開業する際、運営方針の確立は重要なポイントです。内科クリニックでは、有人であるべきポジションと、有人か無人を方針で決めることができるポジションがあります。開業する前に、どのような内科クリニックにしたいかや、その役割を深く考え、運営方針を固める必要があります。

そこで本記事では、内科クリニックにおける有人運営、無人運営それぞれの特徴や実際に運営する際のポイントなどを解説します。

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運営方針ごとの特徴

個人事業は、運営方針によって、費用やサービスのクオリティなどが大きく異なります。クリニックでは、医師や看護師などほとんどのポジションが有人が必須の役割であり、現代技術では完全に機械やシステムにとって代わることはできません。しかし、その他の各業務においては、システム導入で負担を軽減することはできます。特に受付事務や予約業務に関しては、無人化が実現できるシステムがあります。今回は有人と無人それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

メリットデメリット
有人運営・トラブル対応の迅速性
・利用者のロイヤリティ向上
・スタッフの人件費
・予約の煩雑化
・人的要因のミス
無人運営・人権費の削減
・セキュリティ対策
・スムーズな出入り
・初期投資やメンテナンスの費用
・技術的障害
・トラブル対応の遅れ

1.有人運営

有人運営の最も大きなメリットは、患者と直接的なコミュニケーションを取ることができるという点にあります。これは信頼関係の構築や個人のニーズに対応できるなど、クリニックにおいて非常に重要な意味を持っています。また有人運営では、問題や緊急事態が発生した際の迅速な対応や患者の不安軽減ができます。直接患者と関わることで、急な予定変更や個別の要求に対しても柔軟な対応が可能になり、患者の満足度が高まります。人間的なコミュニケーションを通じた関係を重視する利用者をターゲットとするなら、有人の受付対応や予約業務で満足度やロイヤリティを向上させることが有効な手段です。

同時に有人運営では、予約管理や個人情報の管理、スタッフの管理など膨大な量の情報を人が扱うことになるため、人為的ミスを誘発する可能性があり、そういったことに対してのリスクヘッジは必須です。スタッフを雇う際には、スタッフ1人あたりの人件費、アルバイトでも時給1,000円~1,500円ほどがかかり、開業費の高い内科クリニックの開業費を考慮すると、多くの人員を雇うことは金銭面での余裕がない限り難しいです。スタッフを雇う場合は具体的に計画を立てたうえで雇用することをおすすめします。

2.無人運営

内科クリニックの受付が無人であれば、デジタル化されたシステムにより、人的要因のミスがないスムーズな予約のスケジューリングや受付時間の短縮など、効率的な運営が見込めます。人が行うより迅速に管理できるので、患者の待ち時間の削減や診療効率の向上なども期待でき、より多くの患者を診療することが可能です。場合によっては、完全予約制や受付レジの撤廃などの実現で、業務負担が大きく軽減します。内科クリニックは、特別広い物件である必要がない分、受付の最小限化や完全予約制を選択することも珍しくありません。また、スタッフにかかる人件費の削減で費用の節約や診療料金を低く抑えることが可能になります。

しかし、無人化には多くの問題もあります。例えば、システムには無料で導入できるものもありますが、多くのシステムが有料であるため、人件費より安く抑えられるかを判断する必要があります。また受付のシステム化には、電子的エラーやネットワークエラーなど技術的な障害を考慮しなければいけませんし、トラブルが発生した際の対応できるスタッフがいないため、対処に遅れが生じます。これらの問題を事前に予測し、発生したときの対策を練ったうえでシステムの導入を試みることをおすすめします。

テクノロジーの導入は、内科クリニックの運営を大きく便利に快適にする一方で、人間の感受性やコミュニケーションに取って代わることは難しいことを理解しなくてはいけません。

スタッフ採用における要点

1.採用する目的を明確にする

どのような役割のスタッフを採用するのか、どの仕事を任せるために雇うのかなど、目的を明確にしてから求人情報を公開しましょう。採用後にする仕事内容が明確でないと、応募者の減少や採用後の早期退職が予想されます。

内科クリニックの場合、医師や看護師のほかに、助手、受付事務といった役割があります。採用目的をはっきりさせて求人を出すことで、応募者との齟齬が無くなり、トラブル発生の回避につながります。

2.採用条件を具体化する

求人情報には、明確な目的と具体的な内容が求められます。未経験可や週2日以上勤務など、求める条件を詳細に提示することで、働くイメージがつきやすく、応募者が入職後に違和感を持つことが少なくなります。

採用条件で重要なポイントは、応募のハードルを上げすぎないことです。高い希望や条件が多いと応募すらない状態が続く可能性があります。外せない必須条件や願望を明確にし、無理に求めすぎないことで応募者が集まりやすくなります。また応募の方法も、履歴書不要や専用サイトからの応募など、より手間のかからない方法を導入することが理想的です。

3.クリニックの強みを押し出す

求人サイトなどでスタッフを募集する際、月収〇〇万円以上可能や週2日勤務可能などクリニックの強みとなるポイントをアピールが必要です。ただし、強みをただ並べたり誤解を与えたりする内容は、逆に求職者を遠ざけることがあります。ここではクリニックのアピールポイントを強調できる方法を5つ紹介します。

・法人のビジョン:院の価値観や目指している方向性を明確にすることで、応募意欲が高まり、求めている人材とも出会いやすくなります。

・環境の特徴:仕事の雰囲気や、クリニックの環境など具体的な職場の特徴を示すと、求職者が自分が働く想像がしやすくなります。

・成長の機会:働いて得られるスキルや知識を記載することで、やる気のある求職者を得られる可能性が高まります。

・福利厚生:健康保険、有給休暇制度、退職金制度、フレキシブルな勤務時間など具体的な福利厚生の説明があると、求職者は安心して応募できます。

・写真や映像:実際の職場の写真や映像があると、働くイメージがつきやすく、クリニック内が清潔で綺麗であれば働くモチベーションの向上にもつながります。

4.求人方法にこだわる

求人方法は多くの種類があり、どの程度の規模でスタッフを募り、どんなタイプの人を雇いたいかで適切な方法を選択することがおすすめです。

・求人サイト:求職者が希望条件を絞って求人情報を探せる、求人募集の最もポピュラーな媒体です。雇用形態やエリア、職種を自分で選ぶため、条件の食い違いが起こりにくくなっています。

・フリーペーパー:コンビニや駅に設置される求人方法で、掲載されるエリアで情報が分かれており、場所に制限がありますが、地域に密着した採用を望む場合には適しています。

・求人検索エンジン:Web上にある求人情報をまとめて検索するシステムで、求職者が多くの情報を得られる代わりに、その多さから埋もれてしまうことがあります。求人情報を発見してもらうためには、定期的な更新が必要です。

・人材派遣会社:クライアントの要望に応じて、最適な人材を紹介する人材派遣では、即戦力となる人材をいち早く獲得できます。

無人化できるポイント

内科クリニックにおいて完全な無人運営を実現することは現状厳しいです。しかし診療以外の面では、人が担っているポジションを無人にして運営することは実現できます。その際、どのような機材やシステムを導入するべきかといった知識が必要になります。クリニックにおける無人化できるポイントを、おさえるべき要点や実際のシステムとともに紹介します。

1.セキュリティ対策

内科クリニックの機器や設備は非常に高価であり、盗難や器物損害から守る必要があります。またカルテなどの個人情報も保管されている場合、厳重に注意しなければいけません。受付が有人であれば、常に監視ができる上に、トラブルが起きても迅速な対応が可能です。受付を無人化する場合、常にスタッフがいるわけではないため、監視カメラの設置や警報システムなど防犯能力の高いシステムの導入ができれば、設備・機器の保護が可能です。

画像引用元:セコム公式サイト

セコムは建物や利用方法のタイプからそれぞれの施設にあった防犯システムを設置でき、考えられる課題やリスクを事前に対策できます。

ほかにも無人受付で用いられる自動会計などにおいて、システムの不正利用や料金未払いにも気を配らなければいけません。そういった場合には、顔認証システムや事前予約・決済など、クリニックでのトラブルが起こらない対策が有効です。

2.オンラインでの予約

効率的な運営には、利用者がかんたんに予約できる予約システムの導入が不可欠です。無人受付だけでなく有人受付でも、オンライン予約やオンライン決済があると利用者獲得の機会を逃さず、手間になっていたやり取りの簡略化で業務負担を大きく軽減します。

画像引用元:RESERVA公式サイト

特にRESERVA(レゼルバ)は、登録事業者数26万社以上と国内最大級の導入実績を誇る予約管理システムで、メルマガ配信機能や事前決済が可能なオンライン決済機能など、予約管理にとどまらない機能が多数搭載されています。クリニック運営におすすめなキャンセル待ち機能は、キャンセルが生じた際に自動的に通知や予約の実施が行えます。また独自会員機能では、診察券番号を会員IDとして設定できるため、利用者の管理を効率化します。

3.利用者サポート体制

利用者への適切なサポートというと、有人でのコミュニケーションなどが主ですが、無人でも求められたことに対応するサポートを行うことができます。例えば、問題の発生や問い合わせの希望に対応できる、電話やチャット式のサポートシステムを導入することで、利用者の心配事を有人の場合と同様にその場で解消でき、安心してクリニックを利用できます。

画像引用元:Chat Plus公式サイト

Chat Plus(チャットプラス)はチャットボット導入に関するサポートを行っており、問い合わせ対応にシナリオに沿った質問への回答やAI会話の機能といった運営方針にあわせた使い方ができます。

4.フィードバック

スタッフが常駐しているクリニックでは、利用者とある程度コミュニケーションができるため、満足度やクリニックへの愛着を維持しやすいです。反対に、無人受付では施術に関する評価や、再度来店したいなどの感想を得られず、クリニックの価値を図ることが難しくなります。しかし、無人運営でも利用者からのフィードバックを得られるシステムの導入で、クリニックが評価や改善を促すことができます。

例えば、サービス利用後に利用者に送信するメールにフィードバックフォームのリンクを埋め込むオンラインサーベイを用いたり、施設内にQRコードを貼り、施術後の待合室でアンケートに回答できたりといった方法があります。RESERVAでは、予約して診療した患者にお礼のメールを送るサンキューメールや利用者満足度を調査できるアンケート機能などがあり、それぞれ自動化設定が可能で、負担がかからずに利用者からのフィードバックを得ることができます。

>>内科クリニックの経営を強化するためのポイントを解説

まとめ

今回は内科クリニックにおける、有人運営と無人運営それぞれの特徴やポイントについて解説しました。利用者満足度、セキュリティ、人件費などさまざまな観点から自分のクリニックにあう方針を決めてからの開業がおすすめです。内科クリニック経営を考えている人はぜひ参考にしてください。

>>内科クリニックの物件選びのポイントは?開業が成功するコツを解説!

 

内科クリニック運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!

画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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